概要
ありふれた日々に訪れる、
小さな世界の綻び──。
新鋭・宮崎彩監督×福田麻由子(「スカーレット」『蒲田前奏曲』)主演最新作
父を知らない娘。同じ家に住む母。離れて暮らす父。
家族の変容と決別をほろ苦く描く、新鋭監督の鮮烈なデビュー作。
娘の視線を通じて家族のゆらぎを切り取った本作は第15回大阪アジアン映画祭に正式出品され、その精緻な表現に高い評価を受けた。
主人公のさくらに「女王の教室」「白夜行」などで子役として非凡な才能を発揮し、近年ではNHK 連続テレビ小説「スカーレット」、映画『蒲田前奏曲』などで深みを増した演技を見せる福田麻由子。娘から女性に変わりゆく役柄を繊細に演じ切った。
さくらの母を小林麻子、園児の父親・新藤を池上幸平、保育園の同僚役に「仮面ライダーゼロワン」で活躍する井桁弘恵、離れて暮らす父を『シン・ゴジラ』などの吉家章人ら実力派キャストが演じ、それぞれの役柄に血を通わせた。
監督・脚本は是枝裕和監督の元で映像制作を学び、本作が初長編監督作となる新鋭・宮崎彩。
日常の機微を積み重ねた丁寧な演出で、ゆっくりと、しかし確実に変わりゆく家族の姿を優しく、せつなさを込めて浮き彫りにした。
あらすじ
知らないほど、近くおもう。
郊外の住宅地、その一角にある上埜家。
さくら(福田麻由子)は母親(小林麻子)と二人で暮らしている。仕事を辞めたさくらは、友人の頼みから保育園で一時的に働くことに。そこで園児の保護者である、新藤(池上幸平)と出会う。やがて彼に、幼い頃から離れて暮らす父の姿を重ねるようになるさくら。
ある晩、新藤家で夕飯を作ることになった彼女は、かつての父親に関する“ある記憶”を思い出す。一方、古くなった家を手離すことに決めた母。
桜舞う春、久しぶりに父が帰ってくる──。